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任意整理のデメリットとは?クレジットカードや住宅ローンへの影響の他に会社や家族にバレるリスクもあるの?

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任意整理とは、債務整理の手続きの1つになりますが、その名の通り「任意=債権者と債務者の間で話し合いをして債務を圧縮する方法」となります。

他の債務整理の方法(自己破産、民事再生、特定調停)が、それぞれ法律のもと、裁判所管轄で手続きが進むため決まった事に対して拘束力が強いのに対して、任意整理はあくまで私的な紛争解決方法と言えるので、約束を不履行した場合に即時に強制執行をする事が出来ません。

 

債権者の方から見れば、債務名義を取得するため、支払督促を裁判所へ請求し、仮執行宣言による強制執行、訴訟を起こして判決を取る事で強制執行をしなければいけないのに対し、民事再生であれば最悪のケースでは再生計画の取り消し、特定調停の場合には債務名義として強制執行へ入る事も可能になりますので、任意整理よりも他の方法で債務整理したほうがメリットがあります。

逆を言えば、債務者としては任意整理であれば、即時に強制執行をされないというところでは、安心感があると言えるかもしれません。

 

しかし、任意整理で返済をしなければ、せっかく将来に渡っての利息負担をカットしてもらっているものが、遅延損害金として復活し、最大で年率20%もの利息も合わせて返済しなければいけないので、通常で支払うよりも負担が重たくなっていきます。

そうならないためにも、任意整理をする際には、「毎月負担がなく、無理のない範囲で返済できる内容で和解する事」が一番重要になります。

 

任意整理では、通常3年~5年の範囲で分割返済できる内容で和解するのが一般的で、毎月の返済を銀行振込もしくは各金融業者のATMから返済するのが通常です。

手数料も含めて、毎月返済を続けていける、自分に合った返済方法で続けていける方法が一番長続きする方法ですし、返済を途中で続かないとならないコツと言えるのでは無いでしょうか。

 

任意整理のデメリット

ここまで任意整理で一番大きなデメリットとなる「和解後に返済が遅れるリスク」について触れてきましたが、その他のデメリットとなる可能性のあるものについて、いくつか紹介していきます。

 

任意整理はクレジットカードが使えなくなる?

任意整理に限らず、債務整理の手続きをすると信用情報機関に異動情報と呼ばれる事故情報が登録される事になります。

この事故情報は、信用情報機関を通して、加盟している金融業者が確認する事ができ、途上与信で使われます。

 

途上与信とは、金融業者の審査は契約当初だけでなく、借入が終了するまでの間に、定期的に調査を行うのですが、借入限度額を増減させたり、時には返済能力の調査を行うために信用情報や債務者へヒアリングをしたりして決定するのですが、この一連の調査の事を言います。

 

途上与信の結果、債務整理をしていたり、他社での借入が遅れている事が見つかった場合に、借入限度額をゼロにしたり、クレジットカードの利用をストップしたりする事がありますので、この影響でクレジットカードが使えなくなる可能性が考えられます。

 

未使用のクレジットカードは引き続き利用できる?

メインに使用する以外にも、様々な特典やポイントサービスでクレジットカードを作っている事もあり、複数枚のカードを所有している方もいらっしゃるかと思います。

中には未使用のクレジットカードもあるかもしれませんが、先ほど途上与信で触れた通り、利用していないカードでも定期的に与信管理をしている可能性があります。

 

途上与信の基準はそれぞれの会社によって違いますので、一概にはクレジットカードが全て使えなくなるというものではありませんし、未使用のカードだったり、任意整理の対象外にしていれば使えるという事でもありません。

基準が分からない以上、確実な事は言えませんが、確率論という点で言えば、かなり高い確率で未使用であっても、任意整理の対象外にしても、途上与信のタイミングでカードを強制解約される可能性は高いと思われます。

 

ただし、途上与信のタイミングは、利用しているカードであれば、3ヶ月~6ヶ月程度で頻繁に与信を行いますが、未使用のカードであれば1年以上途上与信を行わないという事もありますので、途上与信がなければ使用できる可能性もあると思って良いかもしれません。

 

クレジットカードを任意整理すると使えなくなる?

また、他社での利用ではなく、自社で利用していたクレジットカード利用分に対して、任意整理をした場合、クレジットカード会社は利用できないようにストップもしくは強制解約をする事になります。

クレジットカードの利用は、割賦販売法と呼ばれる法律で規制されていて、クレジットカードの利用分の支払が完了するまで商品の所有権はクレジットカード会社となる「所有権留保」と呼ばれ規制がかかり、任意整理をした場合に、対象商品を勝手に処分する事を認められませんし、場合によっては購入した商品を取り上げられる事もあります。

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住宅ローンは任意整理できるの?

次に住宅ローンを任意整理できるのか?という問題ですが、結論から言えば「住宅ローンでも任意整理は可能」ですが、全くメリットがありません。

と言いますのも、任意整理をするメリットというのが、

  • 債権者と和解し、将来利息をカットする事が出来る。

というもので、住宅ローンを扱う銀行などは、まず任意整理で住宅ローンに対する利息をカットするような事はありません。

 

また、元金を減らしてもらえるという期待もありませんし、むしろ返済できないのであれば住宅ローンの担保として入れている家の競売を検討する事になり、最悪の場合は自宅を失う事になります。

 

一方で、任意整理をする借金の中に、住宅ローンや車のローンなどがある場合は、「任意整理の対象外」としてしまう事で、他の借金を任意整理にしても引き続き持ち家や車を維持する事が出来ます。

が・・・、すでにお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、任意整理の対象外となる住宅ローンや車のローンは、今までどおり返済を続けていかなければいけません。

 

仮に住宅ローンの返済が、毎月の返済額に対して重くのしかかっているのであれば、任意整理で債務整理する事自体が難しいため、民事再生もしくは持ち家を手放して再生という事も考えるなら自己破産も検討したほうが賢明と言えます。

この事から住宅ローンを任意整理するという事は、何もメリットが無いという事がおわかり頂けるかと思います。

 

また、余談ですが、任意整理では債権者を対象に含むのか、含まないのかを自由に決める事が出来ますが、自己破産や民事再生には「債権者平等の原則」がありますので、特定の債権者だけ対象から外す事は出来ません。

 

任意整理よりもリスケなどの調整を

住宅ローンや車のローンは、一般のキャッシングやクレジットカードで利用する金額よりも高額なため、自己破産や民事再生を検討する前に、銀行窓口などで返済スケジュールの延長を申し出したり、リスケが可能か検討してもらう事も大事です。

リスケとは、「スケジュールを変更する」、「スケジュールを組み直す」という意味ですが、例えば借り換えするという事も1つの方法です。

 

例えばのケースで言えば、フラット35で利用していて、経過年数が10年の場合、残り25年で返済計画を他社で借り換えしてスケジュールを改めて組み直します。

返済年数、返済金額が以前よりも変わってくる可能性もありますので、毎月の返済が楽になる事もありますので、1つの方法として検討して頂ければと思います。

 

任意整理すると今後住宅ローンは組めない?

今までは住宅ローンを任意整理する必要があるのか?という点についてまとめてきましたが、これから先住宅ローンを組む予定がある方で、任意整理をする事でローンを組めなくなってしまう事はあるのか?という問題ですが、「信用情報に異動情報が登録されている間は住宅ローンをはじめ、借入審査に通るのは難しい」と思って良いかと思います。

住宅ローンの審査には、JICCはじめ、CIC、KSCなど複数の信用情報機関へ照会し、過去の利用歴や事故情報などを確認しますし、キャッシングなどの借入審査に比べて、はるかに審査難易度が高いため、簡単に審査に通る事はありません。

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任意整理は携帯の契約に影響が?

次に、任意整理をした時に携帯電話の購入や通話契約に影響が出るのか?という問題ですが、「携帯電話会社はCIC以外の信用情報を照会できない」ため、スマホやガラケーの割賦販売の審査に影響する可能性がありますが、通話契約についてはほとんど影響しません。

 

スマホにしてもガラケーにしてもほとんどの方が使用するため、借金に関する問題とは別の扱いで、いくら借金をしていても、過去に債務整理をしていても関係ありません。

 

借金に関する問題よりも、むしろ過去の電話料金未払いに対して厳しく見ていて、一般社団法人電気通信事業者協会が提供する未払い管理「TCA」の情報で過去の利用が著しくない場合は、通話契約にも影響が出る可能性があります。

 

とは言え、電気通信事業は今の時代では公共性の高い事業となっていて、日常生活に欠かせないものなので、過去の延滞や未払いを理由に通話契約を必ずしも認めないという事もありませんが、新たに契約する前には未払い分があれば返済してから契約となるのが一般的なようです。

 

携帯電話の端末購入は審査が厳しい

携帯電話会社ですが、

  • ソフトバンクは、CICとJICCへ登録、JBAは提携のみ
  • au、ドコモはCICだけ登録、JICCとJBAは提携のみ

となっていて、それぞれCICへの照会、SoftBankはJICCへの照会と、携帯電話(スマホやガラケー)の割賦販売分の報告を行う事になります。

 

報告は、割賦販売の分割返済分になりますので、毎月の通話料については信用情報上に登録される事はありませんが、通常割賦販売と通話料を別々で請求する事はありませんので、割賦販売分の延滞をしているという事は、通話料も含めて支払っていない可能性があると見られる可能性はあります。

 

任意整理は新規契約と機種変更に影響が出る?

次に、任意整理をした場合に新たに契約をする場合と機種変更で影響が出るのか?という問題ですが、任意整理の対象から外して、通常どおり返済を続けるのであれば解約される事は無いようです。

 

しかし、スマホ購入は分割購入の場合は割賦販売として、信用情報に報告する事になると紹介した通り、分割払いの審査に通らない可能性があります。

そうなった場合は、スマホを分割購入するのではなく、現金一括で購入し、通話契約をするという方法を取らなければいけません。

新規契約の場合でも同じで、新たな機種を分割購入する事は難しいとなった場合は、現金購入の上で、新たな通話契約を行うという方法になります。

 

任意整理以外の手続きの場合はどうなるの?

任意整理以外の自己破産や民事再生の手続きで、携帯電話料金を整理してしまった場合は解約されてしまう可能性があります。

先にも述べた通り、債権者平等の原則がありますので、自己破産や民事再生で手続きする場合に、携帯電話会社だけ特別債権者から外すという事は出来ませんので、注意が必要です。

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任意整理と特定調停の違い どんなところがデメリット?

任意整理と同じような効力を持つ手続きで、特定調停がありますが、特定調停法に基づいて裁判所が債権者と債務者の仲介をして借金問題の解決を図る手続きです。

任意整理が債権者と債務者の私的な話し合いに対して、裁判所が仲介するという事で、調停調書があれば債務名義として強制執行の手続きにスムーズに入る事が出来ます。

 

債務者からすると、強制執行にスムーズに入られるという事は、債務不履行な状態が続くようであれば、給料の差し押さえをされるリスクを抱えているという事で、プレッシャーを受けるという点では、任意整理のほうが債務者に優しいと言えるかもしれません。

 

任意整理のメリット

ここまでデメリットを主に並べてきましたが、たくさんデメリットがあるのはどの債務整理でも同じですが、その中でも任意整理をする事でメリットももちろんあります。

いくつかメリットを挙げると、

  1. 将来利息がカットされるので、総返済額が減る。
  2. 過払い金が発生している場合は、元金そのものが減るもしくは払いすぎた利息が戻ってくる。
  3. 代理人(弁護士や司法書士)へ依頼している場合は、受任通知を発送する事で、債権者からの取り立てがストップする。
  4. 比較的費用を抑えて、手続きが出来る。

という点です。

 

また、任意整理の手続きを進めている間に、各債権者への支払をストップしますので、その間に家計の見直しや今後の返済に向けた、家計の立て直しをする時間も出来ます。

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任意整理の費用目安

上記の中で、任意整理を行うのにかかる費用ですが、自分で手続きを取る場合は収入印紙と郵送代だけで済みます。

  • 収入印紙は、和解契約書を作成するのに必要で一社あたり200円
  • 郵送代は、一社あたり82円(重量によって変わります)

となっていて、自己破産や民事再生の手続きに比べてはるかに安価な金額で手続きを取る事が出来ます。

 

ただし、代理人に依頼する場合は、

  • 相談料(無料のところが多い)
  • 着手金(任意整理の場合は一社あたり2万円前後、過払い金請求の場合は無料としているところもあります。)
  • 成功報酬(定額で一社あたりの成功報酬、過払い金請求の場合は過払い金返還額の20%ないし25%以内)
  • 減額報酬(借金の減額に成功した場合に、減額分に対して10%)
  • 事務手数料

の費用が発生してきますので、目安としては2、30万円程度は必要になってくると思って良いかと思います。

 

任意整理のデメリットとは?まとめ

任意整理に限らず、債務整理をする事で信用情報には異動情報が登録されるの事が最大のデメリットです。

信用情報を元にクレジットカード、キャッシング、カードローンの審査をはじめ、住宅ローン、車のローンの審査も行われます。

また、携帯電話の端末についても割賦販売という事になりますので、債務整理をすると端末を現金購入しなければならない可能性が高いと思って良いかと思います。

 

また、将来住宅ローンなどを組みたいと思っても、信用情報は5年~10年程度事故情報として残り続けていますので、将来の家族とのライフプランニングに大きく影響する可能性があるという事は理解しておきましょう。

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もちろん、持ち家ではなく、賃貸で住み続ける分には信用情報で異動情報が登録されていてもほぼ影響はありませんので、安心頂ければと思います。

 

【補足】ほぼ影響しないと書いたのには理由があります。

賃貸管理の会社が信販会社の場合は、CICなどの照会をする可能性があり、その場合に審査に通らないという事があるかもしれません。

 

以上、しっかりとデメリットを把握した上で、任意整理を本当にしなければ借金問題が解決出来ないか?も含め、検討の材料にして頂ければと思います。