嫌な時期がやってきたと思わない!確定申告を必要とする人向けの2018年最新控除情報をまとめました!
個人事業主の方や確定申告を行わなければいけない対象者の方にとっては、2月~3月はとても忙しい時期です。
1年分の領収書を整理したり、確定申告に必要な書類を集めたり、面倒な事も多いですが、実は確定申告をする事で所得税を抑える事ができる場合があります。
ここでは、確定申告と聞いても嫌だ・・・
と思わないように、そもそも確定申告とは何?何のためにするの?必要とする対象者、必要書類、そしてメリットとなる控除に関するお話をまとめていきます。
確定申告とは何??手続きの時期ややり方
では早速確定申告についてですが、年に一度(2月16日~3月15日)に、所得税を計算するために、国に一年間の所得を申告する制度です。
所得を申告する事で、改めて所得税を決めるのですが、もし支払い過ぎている場合や控除が認められる場合にはその分が国から還付金として戻ってきます。
サラリーマンの方の場合は、毎月源泉徴収という形で所得税を計算して、先に徴収しているのですが、年末調整(12月)を使って、還付する形を取っています。
年末調整以外に、控除する事ができるものがある場合、もしくは下記の方の場合は、確定申告をする必要があります。
確定申告が必要な人
- 年収2000万円以上の方
- 複数の給与収入がある場合
- 給与収入以外の事業収入(副業)、ネットオークションで収入を得たもの、株やFX、仮想通貨など金融取引で得た収入がある場合
- 住宅ローンを組んだ一年目の方(二年目以降は年末調整できます)
- 医療費控除を受ける方
- ふるさと納税でワンストップ特例を使わない場合
- 年末調整した後、確定申告までの間に出産、結婚をして配偶者控除、扶養控除などが必要な場合
確定申告の時期ややり方
続いて、確定申告の時期ですが、毎年2月16日~3月15日となっていて、その間に
- 税務署で手続きを取る
- 郵送・信書便で送って手続きを取る
- 広域申告センターに提出して手続きを取る
- インターネットで手続きを取る(e-Tax)
のいずれかの方法で提出する事になります。
確定申告では、一年間の売上(収入)に対して、経費と控除できるものを差し引いて、所得を計算する事になります。
- 経費については、必要経費として認められるものを領収書などを提出します。
- 控除については、以下の控除できる対象のものを差し引く事が出来ます。
確定申告で控除されるもの
- 基礎控除 日本国民の全ての人に対して38万円の控除が認められています。
- 雑損所得 火災や天災など不幸な事があった場合や盗難被害にあった場合に控除されます。消防署や警察の被害届が必要になります。
- 医療費控除 自分だけでなく扶養家族の医療費が10万円を超える場合に控除されます。また年収200万円以下の場合は5%を上回れば控除です。また、セルフメディケーション制度(※1)との選択も可能です。
- 配偶者控除 配偶者がいる場合、条件に合致すれば最大で38万円控除されます。(収入によって変わります。)※2
- 配偶者特別控除 配偶者控除が受けられない場合でも、一定の条件を満たす事で最大36万円控除されます。※2
- 生命保険料控除 年間の生命保険や個人年金保険の金額に対してそれぞれ5万円ずつ、合計10万円の控除がされます。
- 損失保険控除 火災保険など生活家財に対しての保険で、最大1万円の控除がされます。
- 扶養控除 配偶者を除く扶養家族がいる場合に、扶養控除を38万円受けられます。また特定扶養親族の場合は63万円、老人扶養親族で同居老親等以外の者は48万円、同居老親等は53万円の控除がされます。
- 障害者控除 自分自身、配偶者、扶養家族の誰かが障害者の場合に一人あたり27万円の控除となりますが、重度の障害(1級と2級)の場合には40万円の控除がされます。
- 寡婦(寡夫)控除 シングルマザーとシングルファザーの方で子どもを扶養している場合、取得が500万円以下であれば、再婚まで27万円の控除を受けられます。またシングルマザーの方だと35万円になります。
- 勤労学生控除 バイトの収入が130万円以下の勤労学生に27万円の控除がされます。
- 社会保険料控除 国民保険料、健康保険料、年金の支払に対して一定の控除を受けられます。
- 寄付金控除 ふるさと納税や一定の基準を満たす寄付金を支払っている場合、5000円以上に対して、支払った寄付金の金額の合計もしくはその年の総所得金額40%のいずれか低い金額から2000円を差し引いた分を控除します。
- 小規模企業共済掛金等控除 小規模企業共済を掛けている場合に、掛金全額を控除する事が可能です。
- 住宅借入金特別控除 住宅ローンを組んでいる方で基準を満たしていれば控除されます。新築、中古、増改築いずれも対象です。
※1 セルフメディケーション制度とは
確定申告の中で医療費控除についてですが、平成29年度分(2018年)から変更になっていて、
- 従来であれば医療費の領収書を提出する必要があったのが自宅で5年間の保管義務に変わった。
- 医療費控除の明細書を提出する事になった。
- 所定の事項が記載された「医療費通知」(医療費のお知らせなど)を提出する場合は、明細書の記載や領収書の保管を省略する事ができる。
となりました。
また、医療費控除ではなく、セルフメディケーション制度と呼ばれるものいずれかを選択する事も出来るようになりました。
セルフメディケーションは、健康の保持増進及び疾病の予防をしている方で、下記のマークの対象医薬品を12,000円以上購入する事が条件になります。
詳細な計算方法は、国税庁のホームページで確認できますので、参考にして下さい。
※配偶者控除と配偶者特別控除について
配偶者がいる場合に、配偶者控除もしくは特別控除を受けることが出来るのですが、世帯主の年収と配偶者の年収によって条件が変わります。
条件の違いを表にまとめてみたのですが、
世帯主/配偶者 | 年収103万円以下 (配偶者控除) |
年収103万円超年収150万円以下 (配偶者特別控除) |
年収150万円超年収201万6000円未満 (配偶者特別控除) |
年収1220万円超え | |||
年収1220万円以下 | 13万円 | 13万 | 1~12万円 |
年収1170万円以下 | 26万円 | 26万 | 2~24万円 |
年収1120万円以下 | 38万円 | 38万円 | 3~36万円 |
上記の通りとなります。
確定申告の医療費控除について
年末調整できないものの中で、自分自身や扶養家族の方の医療費が高かった年については、医療費控除を使って、還付を受ける事ができます。
医療費控除は、病院の治療代以外にも、
- 病院までの交通費(バス、電車、タクシーなど)
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価
- 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価
- 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価
- 助産師による分べんの介助の対価
- 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価
- 護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
- 義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用
- 寝たきり状態で6ヶ月以上の場合のおむつ代(おむつ使用証明書が必要です。)
なども含まれます。
確定申告 必要書類は??
続いて、確定申告で必要な書類ですが、
- 確定申告書A様式、確定申告書B様式(白色もしくは青色)
- 給与所得や公的年金等の源泉徴収票
- 社会保険料の控除証明書、生命保険の控除証明書
- 医療機関の受診控えや医療費の明細書
- 住宅ローンがある場合は、残高証明書
が必要になりますが、その他控除に合わせて必要書類も変わってくる事がありますので、確認が必要です。
また、書類の作成後、提出する際には、マイナンバーの記載や本人確認書類を持参する必要があります。
その際に配偶者、扶養家族のマイナンバーも記載する必要がありますので、分からない場合は住民票請求などで確認する必要があります。
確定申告に関する疑問点
最後に、確定申告でよくある質問や話題のあるものについて、いくつかピックアップしてみました。
Q.株、FX、仮想通貨で得た収入は所得になりますか?
A.株やFXは、特定口座(源泉徴収口座)以外で株式等を譲渡した場合に確定申告が必要となりますが、その際には「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分し、他の所得の金額と区分して税金を計算する「申告分離課税」で20%となります。
仮想通貨の場合は、総合課税で「雑所得」として税金を計算する事になります。
Q.ふるさと納税は、必ず確定申告しなければ寄付金控除されませんか?
A.ふるさと納税には、「ワンストップ特例制度」があり、自治体数が5つまでであれば、確定申告をする必要がないですが、寄付金控除ではなく、翌年度の住民税を減額する形が取られます。
Q.専従者給与をもらっている場合、配偶者控除や扶養控除は受けられるの?
A.専従者給与には白色と青色がありますが、両方とも必要経費とはならないですが、特別に「事業専従者控除額」となります。そのため、配偶者控除や扶養控除を受ける事は出来ません。
また気になる情報、最新情報などがあれば、随時更新していきたいと思います。