子供や孫に残してあげる結婚資金や教育資金に税金がかかるようになるかもしれない!?贈与税の非課税措置縮小に関する気になるお話とは?
先週末、ネットニュースで気になる記事を見つけました。
それは、親が子供へ、また祖父母が孫へあげる結婚資金や教育資金に関するもので、現在非課税扱いとなっている優遇措置の額を政府が縮小する検討に入ったという内容のものでした。
理由は、①利用が減ってきたから、そして②この措置が富裕層ほど有利な仕組みと考えられ、格差が次の世代に引き継がれるかもしれないからとか。
これを読んで、管理人は「そっか、一部の富裕層を除いては、子供や孫のためにお金を貯めてあげることがしにくい世の中になってるんだな・・・」と何となく寂しい思いになってしまいました。
だって、利用者が減ってきたというのは、そういうことですもんね。
この優遇措置というのは、本来は贈与税がかかる性質のお金だけれど、親や祖父母がかわいい子供や孫のためにあげようとしているお金ならば、結婚資金(含 子育て資金)ならば1千万円まで、教育資金ならば1千5百万円まで非課税にしてあげましょう・・・というもの。 その利用者が右肩下がりで少なくなってきているということは、一般の家庭ではそんな資金を贈与することができなくなっていることを意味していると考えられるのです。
なるほど、だからこの措置がお金を子や孫に残してあげられる富裕層に有利な仕組みと考えられているわけか・・・そうひとりで妙に納得してしまいました(^^;)
そこで、今回はこれを良い機会として贈与税について、どういう仕組みの税金なのかなどを調べてみました。
そもそも贈与税とは?非課税になる場合って具体的にどういうケースなの?
まず、贈与税とはそもそもどういうお金にかかってくるものなのか?・・・これは文字通り、他人から贈与されたお金やモノ、いわゆる財産すべてにかかる税金です。
但し、贈与するのは個人あることが条件。贈与する側が法人である場合は、贈与税ではなく所得税の範疇となるようですね。
しかし、譲り受けたすべての財産とはいっても、課税対象とはならないケースもあると定められています。どういったケースかというと、
- 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
- 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
- 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産
他にも細かく条件付きで定められてるものがありましたが、わかりやすいものを挙げると上記のようなケースでした。
でも、これなら、すべての贈与財産は1つ目の生活費や教育費名目にしてしまえばいいじゃない・・・ってなりそうじゃないですか?管理人などは単純にそう思ってしまいました(#^.^#)
同じようなことを考える人が多いからなんでしょうね、そこにもしっかり条件が設けられていました。
「生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかる」と。
つまり、かなりの額を贈与しておいて何でもかんで「も生活資金です」「教育資金です」ということはできないようになっているということなんです。そりゃそうですよね(^^;)
だから、そこに非課税扱いとなる金額の上限が優遇措置として設けられていました。先にご紹介した1千万円とか1千5百万円といった額ですね。これが今回、縮小の方向で検討されようとしているものということでした。
贈与税の課税率ってどのくらい?
では、この非課税額の縮小が実現すると、どのくらいの税金を納めなければならなくなるのでしょうか?課税率を調べてみました。
そもそも贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産に対してかかるのですが、その合計額が110万円以下であれば贈与税はかからないとのことです。
正確に言えば、贈与税がかかるのは基礎控除額を引いた額に対してであり、110万円がこの基礎控除額にあたるわけです。
そして、基礎控除を引いた後の価額によって税率が変わります。
細かくみると贈与税は一般贈与財産用と特例贈与財産用があるわけですが、わかりやすく一般贈与財産用でご紹介しますね。
下は200万円以下で10%、上は3000万円以上で55%となっています。
例えば、譲り受けた金額が200万円であれば10%の20万円。4500万円の場合はなんと2475万円、こんなに税金として取られてしまうわけですね(>_<)
正直、ここまでかかるとは思っていませんでした。これはぜひ知っておかなければなりませんね。
贈与税にかかる申告義務はどうなってる?
最後に、法律違反にならないように贈与税の申告義務についてチェックしておきましょう。
何らかの金品を個人からもらい受け贈与税がかかるケースに該当する場合は、財産をもらった人が申告と納税をする必要がありますのできちんと行なうようにし、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に行なうようにしましょう。
この申告についてはちょっと注意が必要で、納税額が発生しない基礎控除額の110万円未満の場合は申告も必要ありませんが、「相続時精算課税」という場合は、納税額がないときであっても財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に申告する必要があるそうです。
このあたりのことは少々煩雑でここでご紹介しにくい問題ですので、該当する方はぜひ国税庁のホームページなどでご確認くださいね。
納付に関しては、税金は金銭で一度に納めるのが原則ではありますが、贈与税については、特別な納税方法として何年かに分けて収める延納制度があるようです。
額が大きい場合は延納を・・・となりますよね。
贈与税に関するまとめ
今回、ちょっとしたネットニュースをきっかけに贈与税について調べてみましたが、もらい受ける額が大きくなるととんでもない税金を支払わなければならないこともわかりました。
一度にドサッともらうと大変ということですね。
ということは、毎年110万円ずつをもらえばいいのか・・・なんて考えてしまいましたが、これもよくよく調べてみると、課税されているケースというのがありました(゚д゚)!
それは、初めから取り決めが行なわれている場合。
例えば、毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受けることが贈与者との間で契約(約束)されている場合には、契約をした年に、定期金給付契約に基づく定期金に関する権利(10年間にわたり100万円ずつの給付を受ける契約に係る権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかるのだそうです。ずるいことはできませんね(^^;)
こうした知識って知らないと大変なことになる場合もありますので、贈与を受ける際にはちょっと思い出していただければ、と思います(#^.^#)