確定拠出年金(iDeCo)とは?節税のため積立?それとも将来の年金のためどちらに使えるの?
確定拠出年金(iDeCo)って、2017年あたりから銀行員や証券会社の担当から「節税にもなりますよ」と勧められる事があるんですが、実際のところどんな制度なのか?知らないので、今までやりませんでした。
ただ、確定拠出年金(iDeCo)を知れば、もし自分に必要なものだったらやらないと損だな―という事で、ひとまずどんな制度なのか?初心者なりに学んでみました。
確定拠出年金(iDeCo)とは??
確定拠出年金(iDeCo)とは、加入者が月額の掛け金を積立て(拠出)し、あらかじめ用意している金融商品で運用し、60歳以降に年金もしくは一時金として受け取る制度です。
積立NISAや自営業者や経営者が入会できる小規模企業共済よく似ていますが、60歳まで引き出す事が出来ないのが、確定拠出年金(iDeCo)最大の特徴です。
よく似ているもので、確定拠出年金の企業型というものがありますが、会社が掛け金を負担し、会社が選択した金融機関の用意した商品から運用を行い、会社の退職金がわりになっているケースもあります。
確定拠出年金(iDeCo)何がお得なの?
確定拠出年金(iDeCo)最大の特徴ですが、
- 毎月の積立(拠出)額は、全額所得控除の対象になります。
- 運用益は非課税です。
- 60歳以降の受け取りは、年金の場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象になります。
と、それぞれ通常では所得税がかかるところが、優遇されます。1日にして200円以上、月5,000円の罪や手ができる場合は、所得税と住民税の控除が期待できるので、負担が減ります。
毎月の積立額ですが、掛け金は5,000円以上で1,000円単位で選べますが、上限額が決まっていて、
- 公務員は、月額12,000円
- 会社員で企業年金ありの場合は、月額12,000円、20,000円
- 会社員で企業年金なしの場合は、月額23,000円
- 専業主婦は、月額23,000円
- 自営業は、月額68,000円
となっています。
※自営業者については、国民年金基金と付加保険料を合わせて上限68,000円まで、企業年金がある場合は、種類によって加入資格も変わります。
※金額の変更は年に一回だけ可能です。
運用する商品は金融機関によって違いがあります。
60歳までの運用を行うという点で、確定拠出年金(iDeCo)は長期間に渡って運用する事になるので、投資信託の運用手数料などもしっかりと確認した上で、比較検討したいところですが、元本確保型、国内株式、債権、外国株式、エマージング株式、外国債権、エマージング債権、ハイイールド債権、複合資産、REITなど、様々な商品が用意されています。
確定拠出年金(ideco) デメリットは??
ここまで読む限りは、確定拠出年金(iDeCo)のメリットばかり・・と思うのですが、どんな制度でも良いところもあれば、悪いところもある・・
という事で、確定拠出年金(iDeCo)のデメリットについて調べてみたところ、
- 60歳まで運用するので、その間は原則引き出し出来ない。
- 口座開設と口座維持の手数料がかかる。
という点がデメリットに挙げられるそうです。
特に、一番目の引き出しが出来ないという事で、無理な積立をしても、原則60歳までは戻ってこないという事を考えると、今節約がしたいからという理由よりも、老後の資金として積立するという意識を持って取り組みしなければいけないでしょう。
また、20年、30年と積立する事になるので、その間の口座維持手数料がかかるという点も馬鹿になりませんので、それぞれの金融機関や商品を比較、検討するようにしておきましょう。
確定拠出年金(iDeCo)は年末調整できる?確定申告が必要なの?
確定拠出年金(iDeCo)のメリットデメリットが理解できたところで、実際に加入して所得控除を受けるにはどうすれば良いの?という事で考えられるのが、
- 年末調整できるのか?
- 確定申告で手続きしなければいけないのか?
という二点です。
特に、忙しいサラリーマンにとって、医療控除など特別な事がないかぎり、確定申告なんて面倒で出来ない・・という方がほとんどかと思いますので、年末調整で還付を受けられるという事であれば、とてもメリットがありますが・・・
という事で気になったので調べてみると、小規模企業共済制度と一緒で、毎年10月、11月くらいになると、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」という書類が届きますので、会社に必要書類として提出する事で年末調整出来ます。
提出書類には、年末調整で使用する「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を用意し、右下の小規模企業共済等掛金控除」の「個人型又は企業型年金加入者掛金」の年間の掛け金を記入し、証明書と一緒に提出しましょう。
ただし、10月以降から始めたという場合は、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」がとど置くのが1月ごろになる関係で、最初の年は確定申告をする必要があります。
確定申告の場合は、A表(自営業者の場合はB表)を用意し、左側の小規模企業共済掛金控除に掛け金を記入する事でOKです。
確定申告に関する控除については、
こちらの過去記事でまとめていますので、自営業者以外の方でも、必要に応じて手続きを取りましょう。
確定拠出年金(iDeCo)は節税に繋がるのか?
ここまで、確定拠出年金(iDeCo)のメリット、デメリット、手続きに年末調整もしくは確定申告が必要という事を紹介してきました。
結局のところ、確定拠出年金(iDeCo)は節税に繋がるのか??という、管理人の一番の疑問について、最後のまとめと合わせていきたいと思います。
まず、確定拠出年金(iDeCo)は、毎年の年末調整もしくは確定申告によって所得控除と住民税の控除がありますが、
- 所得控除は、課税所得×税率(累進課税)
- 住民税は、一律10%控除
となりますので、課税所得は「収入ー経費ー所得控除」で求められるので、所得控除に掛け金全てを入れる事が出来るので、課税所得を減らす事に繋がります。
=よって、節税効果が高いとなります。
次に、運用中の利益に対する非課税という事です。
FXや株などでは、申告分離課税で20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)、ビットコインは雑所得で課税されるのに対し、確定拠出年金(iDeCo)は非課税ですので、税金に持っていかれずに資産の再投資が可能です。
そして、最後に60歳過ぎたあとの受け取り時の税制優遇です。
一時金として受け取る場合は、「退職所得控除」となるので、
20年間加入していれば、70万✕(年数ー20)+800万
20年未満であれば、40万✕(年数ー20)+800万
分の控除を受ける事が出来ます。
年金として受け取る場合であれば、「公的年金等控除」となるので、
60歳未満の場合は、
- 70万円未満 0円
- 70万円以上130万円未満 収入金額-70万円
- 130万円以上410万円未満 収入金額×75%-37万5千円
- 410万円以上770万円未満 収入金額×85%-78万5千円
- 770万円以上 収入金額×95%-155万5千円
65歳以上の場合は、
- 120万円未満 0円
- 120万円以上330万円未満 収入金額-120万円
- 330万円以上410万円未満 収入金額×75%-37万5千円
- 410万円以上770万円未満 収入金額×85%-78万5千円
- 770万円以上 収入金額×95%-155万5千円
の控除が可能となります。
計算上では、自営業者の方を除いて、掛け金を上限いっぱいまで掛けたとしても、ほぼ非課税となり、老後の資産を作れるとあって、メリットは大きいようですので、無理の無い範囲から積立を始めてみようかなと思いました。
こういった税金の事や節税の事は、学ぶ前は本当に面倒だな・・とか、難しそう・・なんて事を考えがちですが、一度本腰入れて学べば、理解が深まって、むしろメリットがありそうな事も分かってきますので、なんだか賢くなった気がします。
また、最新の事が出てきたり、色々と調べて分かった事があれば、随時更新していこうと思います。